「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

意識を失う直前、エレオノールは心の中で叫んだ。

(――助けて)

 思い浮かべたのはジークハルトだったか、それとも別の誰かだったか。

 エレオノールが願ったのとほぼ同時に、部屋の窓にはめ込まれた玻璃が音を立てて弾け飛ぶ。

「なんだ!?」

 耳をつんざくような雷と激しい雨の音が、荒れ狂う風と一緒に室内に飛び込んだ。

 ろうそくに灯っていた火が風にあおられて一斉に消え、一気に周囲が暗くなる。

 ハインリヒの手が緩んだのをいいことに、渾身の力を振り絞ってその腹を蹴り飛ばしたエレオノールは、目に涙を浮かべながら咳き込んだ。

 ベッドから転がり落ち、ハインリヒと距離を取ろうとする。