「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 家族から疎まれ、後ろ盾を失くして守ってくれる人もおらず、自分の命にさえ無気力だった過去を思い出し――勢いよくハインリヒに頭突きをする。

「ぐっ、貴様……!」

「好き勝手言わないで! 私はジークがいてくれるから、生きていられるのよ!」

 魔物から助けてくれた時のことだけを言っているのではない。

 テレーの言っていた『素敵なこと』を教えてくれたのがジークハルトだったから、エレオノールは散々な過去を経験しても明るい未来を思い描ける。

「生意気な真似を!」

 ハインリヒの手がエレオノールの首にかかった。

 頬に食い込んでいた指が、今度は細い首筋に埋め込まれる。