「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 ジークハルトが反論しようと口を開きかけた時、見計らったように皇妃が艶やかな笑い声をあげた。

「あなたの婚約者があまりにも美しいのが悪いのですよ、ハインリヒ。見てごらんなさい。ジークハルトももう少し手を放したくないと思ったのでしょう」

「義母上、これは――」

「まさか、兄の婚約者に横恋慕しているわけではないでしょうね?」

 この状況で誰が、エレオノールの本当の婚約者はジークハルトだと思うだろうか。

(皇妃殿下はジークを廃嫡させるために結婚を認めたのだと思っていた。でもたぶん、今考えが変わったんだ。ハインリヒ殿下があんなことを言うから)

 皇妃にとっても青天の霹靂だっただろう。