「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 そんな囁きは不安げなエレオノールの耳に入ってこない。

「笑っていろ」

 不意に横からそんな声が聞こえ、エレオノールは隣にいるジークハルトを見上げた。

 人々がなにやら囁き交わす理由は、ジークハルトも含まれている。

 浮いた話ひとつ聞こえてこなかった第二皇子が伴う謎の女性――。これで目を惹かないはずがない。

「どうしてこちらを見ていないのに、笑っていないとおわかりに?」

「気配でわかる」

 ジークハルトがエレオノールを連れて現れると、人々は自然と道を開けた。

 二階へ続く内階段を見上げると、半円の形になった手すりの内側にジークハルト以外の皇族が集まっている。