「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 それをいいことに、ハインリヒが強引に口づけようと顔を寄せた。

 しかしそれと同時に、横から伸びた手がふたりを引き離した。

「冗談にしては笑えませんね、兄上」

 間に割って入ったジークハルトがエレオノールを背に庇う。

 その顔には笑みこそ浮かんでいたが、目はまったく笑っていない。

「彼女は私の婚約者です。たとえまだ、正式に発表されていなくても」

「もちろん知っている。かわいい弟の相手がどんな女か様子を見に来ただけだ。お前をたぶらかす悪女が現れたと、以前なにかで耳にした気がしてな」