「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 ハインリヒはつかつかとエレオノールに近づくと、伏せた眼差しを厭うように細い顎を持ち上げて自分のほうを向かせた。

 無意識に唇がきゅっと横に引き結ばれるのを見て、ハインリヒもまた形のいい唇を笑みの形に緩める。

「聞けばもとは村娘だとか。この器量でジークハルトに取り入ったのか?」

「いいえ、殿下。ジークハルト様は見た目にとらわれるような方ではありません」

「ふうん。そうなるとどうしてあの堅物が落ちたのか、ますます興味が湧くな」

 しげしげと顔を覗き込まれたエレオノールは気まずげに身をよじる。

「お前、今からでも俺の愛妾にならないか?」

「なにを……」