皇族と臣下の間を隔てる線は遠い。位を持たない市民として名を捨てて生きるよう言われるよりも、中途半端に貴族として国に縛り付けられるほうが苦しいように思う。
エレオノールは不安そうにジークハルトを見た。
「ここ最近はおめでたい話も少ないですし、これを機に新しくジークハルトを当主とした公爵家を擁立してはどうでしょう?」
「……第二皇子の身分を捨てろと言っているように聞こえるが? ハインリヒに万が一があればどうする」
「あの子に万が一の出来事など、起こりうるはずありませんわ」
――ジークハルトと違って。
エレオノールは不安そうにジークハルトを見た。
「ここ最近はおめでたい話も少ないですし、これを機に新しくジークハルトを当主とした公爵家を擁立してはどうでしょう?」
「……第二皇子の身分を捨てろと言っているように聞こえるが? ハインリヒに万が一があればどうする」
「あの子に万が一の出来事など、起こりうるはずありませんわ」
――ジークハルトと違って。

