使用人や騎士たちははっきりと口にこそしなかったが、ジークハルトの変化を素直に喜び、おもしろがった。

エレオノールがそのくすぐったい空気と好奇の視線に慣れ始めた頃、夜も更けたというのにジークハルトが部屋を訪れた。

「みゃあっ!」

「お前はエルよりも俺を喜んでくれるな」

 いつものようにジークハルトは飛びついたリュースを抱き上げ、その頭を撫でてやった。

 エレオノールは既に寝支度を整えており、ゆったりとしたローブに上着を羽織ってジークハルトのもとへ向かう。

「こんな時間にどうかなさったんですか?」

「今日はお前の顔を見ていなかったからな」