「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 なにより、ジークハルトは間違いなくエレオノールが刺繍したハンカチを持っているのだ。

「私……あなたのこと、なにも覚えていません……」

「俺が覚えている」

 言い切ったジークハルトはエレオノールを腕の中から解放すると、そのまま草の上に片膝をついた。

 エレオノールの左手を握ったまま顔を上げ、口を開く。

「あの日からずっと、好きだった」

 信じられない思いで見つめ返したエレオノールに、ジークハルトが笑みを向ける。

「俺を助けてくれた少女だと知らなくてもまた恋をした。きっと俺は、これから何度もお前を好きになるだろう。いつか今日の記憶を忘れる日が来たとしても、永遠に」