「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 あまり大きな窓ではないが、振り返った商人がエレオノールの固い表情を確認するには充分な大きさだった。

「おや、どうかしたのかい」

「今のお話は、いつのものですか? 殿下にリヨンの伯爵家から結婚の申し出があったって……」

 言ってから、エレオノールは「耳に入ってしまって」と謝罪を付け加える。

 商人の男は馬を器用に扱いながら質問に答えた。

「さてねえ、でも最近の話だよ。ここ数日じゃないかな? 商人たちの間でかなり話題になっていたから」

(リヨンから戻ってきた後の話? でもそんなこと、聞いてない……)

 ジークハルトはエレオノールがラフィエット家の長女だと知っている。