「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 男がつぶやくのが聞こえ、黙ってうなずく。

 そうしながらエレオノールは男に尋ねた。

「吐き気はありませんか? あっても飲んでほしいんですが……」

 薄青い液体の入った三本目の小瓶を差し出された男が、驚きと困惑、そして微かな疑いの眼差しをエレオノールに向ける。

 そうしてから初めて、エレオノールは男の瞳が極上の紫水晶を溶かしたような色だと気づいた。さらに、男の黒い前髪の一部だけが白く変色していることにも。

(こんな人、見たことない)

 エルフたちのような洗練された中性的な美しさはないが、男の顔は間違いなく『美しい』と呼べるものだった。