「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

「おい――」

「動かないで」

 再び男を静止すると、エレオノールは男の袖を一気に裂いた。

 麻や綿とは違う裂き心地は絹のものだ。よく見れば男が身に着けたものはどれも上質で、こんな辺境の地にいるような身分ではないのがわかる。

(何者なんだろう)

 そう思いながらもエレオノールはてきぱきと患部の処置にあたっていた。

 腰に提げた革鞄をひっくり返して、入っていた薬の小瓶を三本拾うと、そのうちの一本の蓋を歯で開ける。

もう片方の手は患部を外気に晒すため、男の衣服を掴んでいたからだ。

「しみます」

 端的に言うと、エレオノールは小瓶の中身を男の傷にぶちまけた。