「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 そう言ったジークハルトは、黒に紫紺の差し色が入った正装に身を包んでいる。

 そうすると白くなった前髪の一部がより際立つが、それが気にならないほど人目をひきつける存在感があった。

「緊張してしまって……」

「なにも言わなければ水の妖精が降り立ったのかと疑うほど美しいのに」

「からかわないでください。粗相でもしたらって、さっきから気が気じゃないんですよ」

「からかったつもりはないんだがな」

 ジークハルトが言った通り、今日のエレオノールは普段と違っていた。

 うなじより少し上にくくられた団子の周りを編んだ髪でぐるりと囲み、わざと垂らした髪は緩く巻いて流している。