「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

「大丈夫か!?」

 そんな声が聞こえたかと思うと、エレオノールを引きずっていた力がふっとなくなった。

(いったいなにが……)

 事態に混乱したエレオノールが咄嗟に声のほうを見ると、既にそこに声の主はいない。

「グルルルァ!」

 再び聞こえた耳障りな声は、バトラコスの鳴き声だ。

 はっとして再び視線を移すと、恐ろしい魔物の姿が花畑に転がっている。

 その身体からは紫色の体液が噴き出し、花畑を毒々しく染め上げていた。

 しかしエレオノールが目を奪われたのは、自分を喰おうとした魔物ではなく、銀の槍を手に戦う黒衣の男の姿だった。

(あの人が助けてくれた……?)