「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 確かに距離があったはずなのに、もうバトラコスはすぐ目の前にいた。

 いや、バトラコスが動いたのではなく、エレオノールが引きずられたのだ。

(この子だけは守らなきゃ……!)

 必死の思いで卵を手放し、せめて自分だけが魔物の腹に収まるよう願う。

まだ踏み荒らされていない花の上にぽつんと残された卵が遠くなるのを見ながら、エレオノールは左足にまとわりつく長い舌を振りほどこうとした。

だが、バトラコスは貧弱な抵抗をものともせず、そのままエレオノールを丸呑みにしようとする。

(こんなところで死にたくない……っ)

がむしゃらに手足を振り回し、精一杯の抵抗を示して叫んだその時だった。