昨日、伯爵家の後妻が娘を生んだのだ。エレオノールとは違い、ラフィエット伯爵家の特徴である美しい青い瞳を持って。

「今までは不貞の子だろうと利用価値があった。だが、もう我が家には本物の娘がいる」

 地面に投げ出されたエレオノールを見下ろし、ラフィエット伯爵は忌々しげに言った。

「お前のような偽物に、伯爵家の財を食い潰されるわけにはいかぬ」

「わ、私、いい子にします! 今までよりもっと頑張りますから! お掃除も、お洗濯も、お料理だってします! だから……!」

「うるさい。まとわりつくな!」