こんなに寂しそうに、そして愛おしそうに、懐かしそうに語る相手を恋い慕っていないはずがない。
お互いに濁した言葉を、エレオノールは心の中で形にしてしまう。
(ジークハルトさんにはその人が好きなんだ……)
「どうしてこんな話になったんだったか。昔の話などするつもりはなかったのに、お前は聞き上手なんだな」
「……つらいことを聞いてしまってごめんなさい」
「謝るな。お前にそういう顔は似合わない」
うつむいたエレオノールの顎を指で持ち上げると、ジークハルトは安心させるように微笑む。
少し前ならその笑みに頬を赤らめていたエレオノールだが、今は苦しくなるだけだった。

