「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 しかしそれがジークハルトのやるせない気持ちを表している。

「あれは今から十三年前だから……俺が十歳の時だな。リヨン王国との国交を深めるパーティーでの出来事だった」

 今から十三年前なら、エレオノールは五歳だ。

 愛されるのに必死だった過去を思い出しそうになり、すぐ記憶に蓋をする。

(……リヨン王国)

 懐かしい故郷の名も、エレオノールの胸を震わせはしない。

「毒を飲まされてパーティーに参加できないようにさせられた。使用人は仕事に駆り出されるし、神官を呼んでくれる者もいないし、どうすることもできなくて死ぬところだったんだ」

 エレオノールは無意識に自分の胸もとを掴んでいた。