「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 初めてジークハルトに出会った時、美しい紫の瞳に吸い込まれそうだった。

 こうして改めて見ても不吉なものなど感じず、やはり美しいと思ってしまう。

(こんな慰めを望んでいないかもしれないけど、こう思っている人間がいることを知ってほしい)

 エレオノールにはジークハルトの抱える空虚が理解できた。

 瞳の色を理由に疎まれた過去とその苦しみは、そうそう忘れられるものではない。

「そう言ったのは、お前ともうひとりだけだ」

「ほかにもいたんですね。よかった……」

「もう亡くなった」

 ぽつりとつぶやくようなひと言に感情は乗っていない。