「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 諦めの悪さを発揮し、エレオノールに遮られてなおお菓子を狙っていた。

「俺が抱いていようか」

「そうしたらお茶を飲めなくなりますよ」

「どうせ冷めるまで待たねばならないんだ。それまで相手をしていよう」

 立ち上がったジークハルトがリュースを抱き上げて再び席に戻る。

 おかげでエレオノールのもとには平穏が訪れたが、当のリュースはお菓子から引き離されたのが気に入らなかったのか、じたばたもがいていた。

「みゃっ! みゅううう」

「お前がまだ子どもでよかった。シュルーシュカに同じことをされたらと思うと恐ろしい」

 ジークハルトはもがくリュースを完璧に押さえ込んでいた。