「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

「お言葉に甘えていただきます」

「ああ」

 ソファに座ったエレオノールの膝の上には、自分にも菓子を寄こせと騒ぐリュースがいる。

「みゃっ、みゃあっ、みゃあ!」

「だめでしょ。そんなふうに騒いだら」

 お菓子を欲しがって暴れるリュースだが、エレオノールには通用しない。

 それをジークハルトはおもしろそうに見ていた。

「シュルーシュカは生肉を好むんだが、リュースは違うんだな。そんな菓子まで欲しがるとは」

「普段からそうなんです。食事も肉や魚よりは、ジャムのついたパンのほうがいいみたいで――こら、リュース!」

 手を伸ばして勝手にお菓子を取ろうとしたリュースが叱られる。