「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 指で喉をくすぐられたリュースが歓喜の声を上げるのを見て、エレオノールは困ったように微笑んだ。



 午後の仕事を終えると、普段は働き詰めのジークハルトが珍しく休憩を取った。

「よかった。今日はお茶の用意が無駄にならずにすみますね」

「なんだ、嫌味か?」

「少しだけ。だっていつももったいないなと思っていたんですよ」

 メイドが運んできた香草の茶と、まだ温かい焼き菓子を、ソファに座ったジークハルトの前へ持っていく。

 いつもはテーブルの上に休憩の用意をしてもジークハルトが休まないために、せっかくのお茶もお菓子も冷めてしまっていたのだが、今日は違った。