「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 エレオノールのために処罰を徹底したと噂が流れ、『恋人ではないが愛人でもなさそうだが、いったい何者なのか』という視線は今もやまない。

 露骨に遠巻きにする城のメイドたちに比べれば、それでもまだいいほうなのだが。

「んみゃっ、みゃ」

「こら、ボタンをかじっちゃだめだったら」

 考え事をしていたエレオノールの胸に顔を埋めたリュースが、ボタンをくわえて遊んでいる。

 これを引っ張るとエレオノールがかまってくれるというのを学んだのか、最近は顔色を窺いながらわざとやっている節があった。

「大人になるまでにはその癖を直してちょうだいね」

「みゅうう」