「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 子竜を抱き上げた姿は、本物の母親となんら変わらない。

 リュースも孵った時よりはずいぶん大きくなったが、まだまだ甘えん坊なようで、エレオノールの胸にぺったりと顔を押し付けて尻尾を振っている。

「リュースはまだ念話を使わないのか」

「そうですね……。翼の使い方もまだわからないようなので、もっと大人になってからなのかもしれません」

 そう答えてからエレオノールは軽く頭を下げてから、仕事のためにその場を辞去した。

 執務室を出ると長い廊下が続いている。

 城の内部とは違い、騎士たちが出入りする場所だからなのか物々しい空気が漂っていた。