「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 素直に褒め言葉を受け入れたエレオノールの顔には笑顔が浮かんでいた。

 純粋にうれしいと感じているのは火を見るよりも明らかだったが、ジークハルトの表情は苦い。

「よくそれで今まで掃除洗濯だけやっていられたな。文字の読み書きも完璧で、算術も扱えて、錬金術も古代魔法も使えて、ドラゴンの母親役までやって……。こんなに有能だと知っていたら、もっと早く補佐の仕事につけるべきだった」

「これからもそう言ってもらえるように頑張ります」

 うきうきと言ったエレオノールの足もとに、ずっとソファでおとなしく座っていたリュースが近づく。

「うみゃあ」

「抱っこしてほしいの? 甘えたさんね」