「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 太陽草の花油は明かりに使えば長く火を灯し、料理に使えば香ばしい風味を与え、磨き油として使用すればどんな曇った青銅も銀の輝きを生み出すと言われる万能油だ。

 竜騎士たちは主にドラゴンの鱗を磨く際に使用しているようなのだが、記録を見る限りではあまりにも減りが速すぎる。

「節約しろと言ったんだがな。下手に減らして必要な時に手もとにないというのも困る。今まで通りの発注数でいいが、個々で使用する量については一度確認すべきだな」

 驚異的な速度で書類をさばくジークハルトは、横に立つエレオノールに見向きもせず言った。

「わかりました。……その、ほかにも似たような状況のものがいくつもありまして」