(お世話って、こういう……)

 神官による回復魔法と、まともな食事のおかげで以前よりも元気になったエレオノールは、ジークハルトに言われた通り彼の世話に勤しんでいた。

 城ではなく竜騎士たちが使う建物への出入りを許され、ジークハルトが私用する執務室にて仕事を行うようになったのだ。

 主な仕事は清掃で、次から次へと増える書類の整理もする。

 てっきり皇子たるジークハルトが是といえばすべて許されるのかと思っていたが、竜騎士団をひとり任地へ送り込むだけでも煩雑な手続きが必要らしい。

 強大な力を持つドラゴンを扱う騎士は、たとえたったひとりでも脅威として扱われる。