「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

「死の森でエルフを見たという報告はたびたび上がっていたが、集落があったとは知らなかったな。今もそこにあるのか?」

「いいえ。数年前に黒いドラゴンが現れて、私の育て親も含め、なにもかも燃やしてしまいました」

 声が震えないようにと気を使ったせいか、変にこわばった音になる。

 ジークハルトもそれに気がついたようで、いつの間にか固く結んでいたエレオノールの手を優しく包み込んだ。

「大丈夫か?」

 はい、と言おうとしたはずなのに声が出てこない。

 エレオノールは自分の手を包み込むぬくもりに完全に意識を奪われていた。