そう言ってからジークハルトは、小声で「悪い」と詫びた。 「言葉を選ぶべきだったな」 「大丈夫です。事実ですから」 答えながらエレオノールは、自分が驚くほど穏やかな気持ちでいることに気がついた。 (ジークハルトさんが怒っているように見えるからなのかな) 幼い頃のエレオノールは父の所業に怯え、泣くばかりだった。 その時の自分の代わりにジークハルトが怒ってくれているように見えて、話しながら泣きそうになる。