「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 涙を浮かべた美しい色の瞳は、目の前にいるジークハルトを見ているようで見ていない。

「あのまま……捨てられた時に死んでしまったほうがよかっ――」

「言うな」

 今のエレオノールにはきつい言い方だと思いながら、ジークハルトはあえて強い言い方をする。

思った通り、びくりと細い身体が震え、ようやくエレオノールの瞳にジークハルトが映った。

「どんな人生を歩んできたかは知らないが、お前が死んでいたら俺は今ここにいない。お前は生きていていいんだ」

 エレオノールの喉がひくりと鳴る。

「でも、だめなの。居場所がないのよ。生きていても誰ともいられない」