「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 暗闇で肩を震わせる小さな身体に歩み寄り、抱えた膝に顔を埋めていた彼女の顔を覗き込む。

 案の定、エレオノールはすすり泣いていた。

「目が覚めたんだな。どうした? どこか痛いのか?」

 ふる、と首を振ったエレオノールがしゃくりあげる。

「わ、私、生まれちゃいけなかったんです」

 なんの話だとは聞かず、ジークハルトは子どものように涙を流すエレオノールをそっと抱き締めた。

「嫌な夢でも見たか」

「テレーは生きていてくれてよかったって言ってくれたけど、だめなの」

 声が届いていないらしいと気づき、ジークハルトはエレオノールの両頬を手で包み込んで自分のほうを向かせた。