「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 普段、シュルーシュカと接している時間が長いだけに余計にそう思いながら、ジークハルトは自分の勘を信じてエレオノールの部屋へ向かうことにした。



 リュースを抱きかかえてエレオノールの部屋に向かったジークハルトは、今日までそうしていたように、律儀に扉をノックしてから室内に足を踏み入れた。

 それと同時に腕の中にいたリュースがすとんと床に降りる。

 いつもならばエレオノールの返事はないのだが、今回ばかりは反応があった。

「ラス――」

 名前を呼んだジークハルトは、ベッドの上で膝を抱えたエレオノールの姿を見て異変を感じ取った。