「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 どことなく不安げな表情のリュースを抱き上げたジークハルトは、しがみついてきたその子竜の背をそっと撫でてやった。

「どうした、こんな時間に。どうやってここまで来た?」

「うみゃあ、みゃあ」

 猫のような鳴き声をあげ、リュースが必死に何事かを訴える。

 それだけでなく、ジークハルトの足にまとわりついて、小さな翼を動かした。

 その様子を見ていたジークハルトが、ふと声を上げる。

「まさか、ラスになにかあったのか?」

「んみゃあ」

 肯定か否定かもわからない曖昧な反応をされ、ジークハルトの眉間に皺が寄る。

(ドラゴンと念話ができないことが、こんなにももどかしいとは)