「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

「金糸の髪に翠玉の瞳をした、大変美しい少女だとは聞いておりました。ただ、村人たちは『あれは人の姿をした魔物だ』とわかっていたようです」

「ラスが村人に害をなしたというのか?」

「いいえ、まだです」

 まだ、という言い方にジークハルトは顔をしかめた。

(いつかは必ず敵になると言いたいんだな。ただ人々に馴染まなかっただけで、なにもしなかった彼女のことを)

「話に聞いていた魔物とラスが一致した時、気づいたのです。最初からあの女の狙いはこの国だったのだと」

 ジークハルトは内心、舌打ちをしたくなった。

 ここまで考えが固まっていたら、もうなにを言ったところで認めない。