「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 自分は主君に命じられた仕事を忠実にこなしているだけで、悪いのは奇妙な女にうつつを抜かして苦言を呈するジークハルトのほうなのだと、言葉にせずともミリアムの表情から伝わってくる。

「私はここに来る以前、ラスが森のそばの村に住んでいたことを知っております」

「なに?」

「知人がそこに住んでおりますので。――ラスは数年前、死の森の奥で火災が起きた後に突然現れたと聞きました。奇妙な石を抱えて歩き、商人に卸すほどの薬を精製し、決して村の住民に馴染もうとしなかったとも」

 ミリアムの言う奇妙な石はリュースの卵のことだ。

 しかしジークは指摘せず、口をつぐんで話の続きを促す。