「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

(この期に及んで、まだ隠し立てするつもりなのか。……こんな状況になるまで、内部に目を向けていなかった俺の咎だな)

 ジークハルトは使用人たちの前で足を止めると、小さく息を吐いて例のブローチを取り出した。

「あっ」

 思わず、といった様子で声をあげたのは、最初に声をかけられたそばかすのメイドだ。

「倉庫の近くに落ちていたものだ。お前の私物か?」

「は、はい。これは私の大事な――」

「そういえば先日、あの世話係が倉庫から出られなくなっていたな」

 ひくりと喉を鳴らす音が聞こえた。