(この期に及んで、まだ隠し立てするつもりなのか。……こんな状況になるまで、内部に目を向けていなかった俺の咎だな)
ジークハルトは使用人たちの前で足を止めると、小さく息を吐いて例のブローチを取り出した。
「あっ」
思わず、といった様子で声をあげたのは、最初に声をかけられたそばかすのメイドだ。
「倉庫の近くに落ちていたものだ。お前の私物か?」
「は、はい。これは私の大事な――」
「そういえば先日、あの世話係が倉庫から出られなくなっていたな」
ひくりと喉を鳴らす音が聞こえた。
ジークハルトは使用人たちの前で足を止めると、小さく息を吐いて例のブローチを取り出した。
「あっ」
思わず、といった様子で声をあげたのは、最初に声をかけられたそばかすのメイドだ。
「倉庫の近くに落ちていたものだ。お前の私物か?」
「は、はい。これは私の大事な――」
「そういえば先日、あの世話係が倉庫から出られなくなっていたな」
ひくりと喉を鳴らす音が聞こえた。

