「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

「ご……ございません……」

「そうか」

 震えるメイドを軽く見やり、別の使用人のもとへ向かう。

「お前は?」

「いえ、お伝えすることはなにもございません」

 竜舎に務める男は本当になにも知らないようだった。

 ジークハルトに対して誠実であろうと、しっかり目を合わせて話している。

 誰が見ても、どちらの態度がおかしいかは明らかだ。

 目につく者に次々と問いかけるも、反応は前者のように青くなるか、後者のように誠実に答えるか、露骨に分かれた。

 それでも自ら告白する者はひとりとしていない。