「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 その夜、ジークハルトは使用人たちを大広間に集めた。

「この城で俺の意に沿わないことが起きている。子竜の世話係に対しての行為と聞いて、身に覚えのある者がいるなら前に出ろ」

 顔を見なくても、声だけで怒りが伝わってくる。

 使用人たちの多くは怪訝な顔をしたが、中には青くなってうつむいた者もいた。

 皆の前に立つジークハルトがそれに気づかないはずもなく、並んだ使用人たちに紛れていたそばかすのメイドの前に歩み寄る。

「顔色が悪いな。体調でも悪いのか」

「い、いえ、そんな、ことは」

 その身体は震えているが、ジークハルトはあえて触れない。

「なにか言いたいことは?」