「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

『あら、だって気概のある子だもの。死にかけたあなたを助けるためにひと晩中古代魔法を唱え続けるなんて、耳長にもできることじゃないわ。それに……』

(なんだ?)

『いいえ? そのうちわかることでしょう』

 シュルーシュカが秘密を持ちたがるのは今に始まったことではない。

 しかしなぜか”彼女”が関わっていると思うと、ジークハルトは落ち着かない気持ちになった。

(含みを持たせた言い方だな。彼女についてなにを知っている?)

『こんな話をしている暇があるなら、さっさと愚かな人間たちを引き裂いてやりなさい。あなたがやらないなら私がやるわよ。城ごとめちゃくちゃにしてやる』

(絶対にやめろ)