「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる～溺愛されて聖女の力が開花しました～

　かつてはベルグ皇帝のもとで有能なメイドとして働いていたミリアムは、その功績を買われてジークハルトのもとでメイド長を務めることになった。

　機転が利き、メイドたちからの信頼もあつく、なによりゆるぎない忠誠心を持っている。

　そんな彼女が裏切りを働くとは思えないが、ジークハルトが最も信頼しているのは、ミリアムではなくシュルーシュカだ。

『私のお気に入りをいじめるなんて許せない。バラバラに引き裂いてやりたいわ』

　腹に据えかねた様子で物騒な声をあげたシュルーシュカを見て、ジークハルトは驚いたように目を丸くする。

（お前が俺以外のことでそんなふうに言うのは初めてだな）