「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

『あの子、この間倉庫に閉じ込められたんでしょう? その犯人が落としたものよ』

 シュルーシュカはジークハルトのドラゴンという特権をいいことに、勝手に竜舎を出てその辺りを散策する。その道中で見つけたようだ。

(俺がラスの話をしに来たとわかっていたのか)

『だってあなた、最近そればかりだわ。自覚がないの?』

 含み笑いをしたシュルーシュカが、軽く尾を振って楽しい気持ちを示した。

『小さいけれどきれいな石でしょう? だから私のものだと思って拾っておいたの』

 竜騎士団のドラゴンたちは、一日中竜舎でおとなしくしているわけではなく、敷地内を散歩することもままある。