「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 ドラゴンであるシュルーシュカが古代魔法だと呼ぶそれを扱う女性は、この城にいるのだ。

「もしかしたら、シュルーシュカがなんらかの力を使って俺を助けたのかもしれない」

「なるほど、人知を超える存在であるドラゴンならば、その程度はたやすそうですな」

 誰が自分を助けたのかジークハルトにはわかっていたが、彼女のことを考えるならここはシュルーシュカの力によるものだと思われていたほうが都合がいい。

 それこそ、おとぎ話のような存在が実在すると知られれば、ジークハルトが手を下すまでもなく、エレオノールはリュースから引き離されてしまうだろう。

「そういえば、殿下」