「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる～溺愛されて聖女の力が開花しました～

「ああ、そうだな。頼む」

　理解が追いつかないながらも、ジークハルトはおとなしく神官に身を差し出した。

　神官といえば、神の奇跡とも呼ぶべき癒やしの魔法で人々を苦しみから救う存在である。

　依頼には当然金銭が必要だが、たしかな力を持っていることに間違いはない。

「ひどい怪我を負ったはずだが、傷跡が見当たらなくてな。いったいどこの神官がこれほどの魔法をかけた？」

　ジークハルトに問われた神官が困惑の表情を浮かべる。

「申し訳ございません、私にはわかりかねます」

「どういう意味だ。お前たちの中の誰が俺を救ったのかと聞いているだけだが」