「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 扉の向こうに声をかけてすぐ、驚いた顔の家令と、純白のローブに身を包んだ神父が入ってくる。

「殿下、よくぞご無事で……」

 目を潤ませる家令を見て、ジークハルトは安心させるようにぎこちない笑みを見せた。

「心配をかけてすまなかった。俺がここに連れてこられてから何日経つ?」

「一晩でございます」

「……悪い、気を失っている間に耳が遠くなったようだ。数日ではなく、一晩?」

「聞き間違いではございません。殿下がシュルーシュカ様によって運ばれたのは昨夜です」

 家令が話している間に、神官がジークハルトの横に控える。

「失礼ながら殿下。先に御身の状態を確認させていただきたく」