「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 松明の明かりに照らされた黒衣。うつ伏せになっているせいで顔は見えないが、少なくとも意識はないようだ。

 一番恐ろしいのは、今もその人物の身体から染み出すように広がる赤い色だった。

「ジークハルト……さん」

 あまりの衝撃に口もとを手で押さえ、その場に崩れ落ちる。

 しかしそんなエレオノールを気にかける人間はここにいなかった。誰もそんな余裕はないからだ。

(あんなに興奮しているのは、ジークハルトさんの身になにかあったからだ)

 そう気づいて改めてよく見ると、シュルーシュカは暴れながらも、ジークハルトを守ろうとしている。