「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

「なにかあったみたいなの。確認してくるから、ここでいい子にしていてね」

「みゃうぅ……」

 聞き分けた様子のリュースがまたあくびをし、最近お気に入りのクッションの上で身体を丸めた。

(……よし)

 外の寒さを防ぐために薄い上着を羽織ると、エレオノールは急ぎ足で廊下に出た。

 転ばないように階段を下りて城の外へ出た瞬間、鼓膜を破りかねないほどの凄まじい咆哮が宵闇を裂く。

 荒れ狂っているのは、赤い瞳を持った漆黒のドラゴンだった。

 エレオノールは自分がなんのためにここへ来たのかも忘れ、荒ぶるシュルーシュカを前に凍りつく。