「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

「べっ……別に褒められたくてつけたわけではありません、けど……。……ありがとうございます」

 ごにょごにょと小さくなる声には、気恥ずかしさからくる熱が込められている。

(こんな言い方しかできないなんて、私、すごく嫌な人間だ。いくらひどい人でも、何度も助けてくれたことに変わりはないのに……。せめてもう少しかわいげのある言い方をしたらどうなの?)

 エレオノールは自分を叱ってからすぐ、はっと気づいて赤くなった。

(この人の前でかわいげなんて必要ないじゃない)

「おい、置いて行くぞ」