「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 ジークハルトに言われて仕事の内容を振り返るも、やはりこれといって疑問はない。

「これだけ大きなお城ですし、忙しいのは当然だと思っていました。手伝うことで少しでも皆さんに馴染めるなら、それでいいかなと」

「……この間も気を失ったのに、『忙しいのは当然』だと?」

「え?」

 低い声に苛立ちが増したように感じ、エレオノールは不安げに問いかける。

「気を失ったというのは、いつの話ですか……?」

「倉庫でのことだ。覚えていないのか?」

「あの時助けてくださったのは、もしかして……」

 思いがけず恩人に出会えて喜ぶも、相手が相手なだけに気まずさが残る。