「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 これは彼の神経を逆なでしないほうがよさそうだと判断し、自分を守るようにカゴを抱き締めて曖昧な笑みを作る。

「いつもこの時間はひとりです。ほかのメイドはいません」

「……なんだと?」

「私が洗濯を担当しているので、ほかの方は別の仕事をしているのだと思います。誰がどこでどんなことをしているのかまでは把握していません。……申し訳ございません」

 ジークハルトに思うことはあるが、一応は雇い主である。

 それにベルグ帝国の皇子だとはっきりした今、以前のような強気な態度は取りづらい。