「役立たず」と死の森に追放された私、最強竜騎士に拾われる~溺愛されて聖女の力が開花しました~

 そんな期待のせいで注意力が散漫になっていた彼女は、苔むした石に滑り、川へ落ちてしまった。

 意外にも早い流れに翻弄されて、エレオノールはあっという間に水に呑み込まれた。

 徐々に重くなっていく身体と遠ざかる意識の中、彼女はずっと『死にたくない』『でも、死んじゃったほうがいいのかもしれない』と繰り返し、ついに諦めて目を閉じたのだが。

 再び目を覚ますとそこは、死後の世界などではなく、温かな空気に満ちた木の家だった。

 エレオノールを川から救い、家まで連れ帰ったのは死の森の奥深くに住むエルフで、名前をテレーといった。